Google広告の管理画面に最適化案が表示されたら、まず自社の目的に合う改善候補かを確認します。適用ボタンを押す前に、増えそうな検索語句、問い合わせ、費用の変化を想像しておく必要があります。

最適化スコアは、アカウントやキャンペーンの設定がどの程度整っているかを推定する指標です。Google広告のヘルプでは、最適化スコアは0から100%で表示され、最適化案にはスコアへの影響が表示されると説明されています(最適化スコアについて)。ただし、スコアが上がっても、問い合わせの質や採算がよくなるとは限りません。

便利な提案ほど、事業側の条件に合うかを一度止まって確認します。クリックを増やしたいのか、問い合わせを増やしたいのか、受けたい相談に近づけたいのかで、適用すべき提案は変わります。

最適化スコアは事業成果そのものではない

最適化スコアは、Google広告の仕組みから見た改善余地を把握する入口として役立ちます。アカウント内の設定や配信状況を見直すきっかけになるため、無視する必要はありません。

一方で、広告主が見たい成果はスコアではなく、利益につながる問い合わせです。スコアを上げる提案でも、対象外の検索が増えたり、商談条件に合わない問い合わせが増えたりすれば、事業成果としては扱いにくくなります。

特に問い合わせ型の事業では、コンバージョン数だけでは判断が足りません。フォーム送信が増えても、有効問い合わせ率や商談化率が下がるなら、広告配信が本当に良くなったとは言いにくいからです。

最適化案が何を増やす提案なのかを先に読む

最適化案を審査するときは、提案の名前よりも「適用すると何が増えるのか」を見ます。最初に、クリックや表示機会を増やす提案なのかを見ます。次に、コンバージョン数、予算消化、検索範囲、入札の強さのどこへ影響するのかを分けます。提案が変える場所によって、確認すべきリスクは違います。

Google広告の最適化案には、広告とアセット、入札と予算、キーワードとターゲティングなど複数の種類があります(最適化案の種類)。たとえば、インテント マッチの追加やキーワード拡張の提案は、今まで拾っていなかった検索へ広告を出せる可能性があります。新しい顧客層に届くかもしれません。一方で、自社の対象外となる相談、採算が合わない検索、意図が浅いクリックも増えることがあります。

入札戦略の変更や予算増額の提案なら、費用の使われ方が変わります。広告費を広げる前に、増えた費用でどの段階の成果を期待するのかを決めておく必要があります。

問い合わせ型の広告では件数より質と採算を見る

問い合わせを集める広告では、「増えたか」だけでなく「受けたい問い合わせに近づいたか」を見ます。BtoB商材では、問い合わせ元の課題や利用目的が、自社で販売または支援できる範囲に合うかを最初に確認します。次に、担当者が導入検討へどのように関わっているかを見ます。商談に必要な条件と時期がそろっているかも確かめます。企業規模や業種は、受注可否に実際に影響する商材でのみ確認条件にします。

適用前に見る指標は、提案の種類に合わせて選びます。インテント マッチを試すなら、検索語句の広がりと問い合わせの質を必ず確認します。検索語句レポートでは、実際の検索で広告が表示された語句と掲載結果を確認できます(検索語句レポートについて)。予算や入札の変更なら、費用増加に対して有効問い合わせや商談が増えたかを見ます。

審査メモには、事業側の判断まで含めると使いやすくなります。インテント マッチやキーワード拡張を試すなら、追加される検索範囲を先に想定します。対象外の相談や意図の浅いクリックが増えそうなら、適用範囲を絞るか見送ります。

件数が増えそうな提案では、問い合わせ単価も見ます。フォーム送信が増えても、費用の増加に見合わなければ採算は悪化します。有効問い合わせ率を合わせて見ると、送信数の中身が悪くなっていないかを判断できます。

商談化率は、対象条件を満たした問い合わせが実際の商談へ進んでいるかを見るために使います。BtoBでは、顧客像が合っていても商談にならないことがあります。導入時期や予算が条件に合わないためです。こうした問い合わせが増える提案は、スコアが上がっても事業成果にはつながりにくくなります。

この整理は、すべての最適化案に同じように使うためのチェックリストではありません。提案が変えようとしている場所に合わせて、見る指標を絞ることが大切です。

大きな変更ほど適用範囲と戻す条件を決める

影響が大きい最適化案は、アカウント全体へ一括適用すると原因が見えにくくなります。どの変更が成果に影響したのか分からなくなると、良かった変更も悪かった変更も判断できません。

試す場合は、対象キャンペーン、検証期間、見る指標、成功条件、元へ戻す条件を先に決めます。たとえば、既存の検索キャンペーンでインテント マッチを試すなら、対象の広告グループを限定します。2週間から4週間など検証期間を決め、検索語句と有効問い合わせを確認します。

成功条件は「問い合わせが増えた」だけでは弱いです。たとえば、有効問い合わせ単価が許容範囲に収まり、対象外語句が大きく増えず、商談化率が大きく落ちないことを条件にします。戻す条件は、対象外語句が増え続ける、有効問い合わせ率が下がる、予算消化だけが増えるといった状態です。

この条件を先に決めておくと、結果が出たあとに都合よく解釈しにくくなります。適用する前の審査は、失敗を避けるためだけでなく、成功した変更を再現しやすくするためにも必要です。

却下理由を残すと次の提案を判断しやすくなる

最適化案は、適用するか非表示にするかで終わらせないほうがよいです。却下した提案ほど、なぜ今は合わないのかを残しておくと、次に同じような提案が出たときに判断しやすくなります。

たとえば、自社で対応できない用途の検索が増えそうなら、その可能性を見送り理由として残します。商談条件を満たす問い合わせの許容単価がまだ決まっていない場合は、その未確定事項を記録します。営業部門が対応できる案件数を超えるなら、今月は配信を広げないと書きます。これはGoogle広告の設定メモであると同時に、事業側の準備状況の記録にもなります。

最適化案は、Google広告のデータから見た改善候補です。運用者は、変更後に増えそうな検索語句を想像し、そこから来る人の課題と導入段階が自社の商談条件に合うかを見ます。担当者から営業へ無理なく受け渡せるかも確認します。反映するのは、変更後に確かめる指標と元へ戻す条件を決めてからです。