管理画面で新しいキャンペーンを作る前に、どの単位なら予算や成果を別々に見たいかを決めます。Google広告のアカウント構成では、判断したい単位でキャンペーンや広告グループを分けます。目標や地域が違うのか、サービス、広告文、ランディングページを別々に見たいのかを先に決めます。

構成が曖昧だと、成果が良いときも悪いときも理由を見つけにくくなります。どの予算が、どの商材の、どんな問い合わせを取りに行っているのかが見えないからです。

反対に、最初から細かく分けすぎると管理が重くなります。配信量が少ないアカウントでは、データが分散して判断しにくくなることもあります。分ける基準は、見た目の整理ではなく、運用上の判断が分かれるかどうかです。

アカウント構成は判断したい単位から決める

Google広告は、アカウント、キャンペーン、広告グループの三層で構成されています。キャンペーンでは主に予算や掲載先を設定し、広告グループでは同じテーマを持つ広告やキーワードをまとめます。Google広告の公式ヘルプでも、この三層構造が基本として説明されています(Google 広告の構成について)。

この三層を理解したうえで、どこを分けるかを決めます。サービスが違うから必ずキャンペーンを分ける、キーワードが違うから必ず広告グループを分ける、という考え方だけでは足りません。

大切なのは、成果を別々に評価したいかです。許容できる問い合わせ単価や対応地域が変わるなら、分けて見たほうが判断しやすくなります。営業・受注体制や広告の目的が異なる場合も同様です。ランディングページが大きく変わる場合も、別々に評価できる構成が役立ちます。

キャンペーンは予算と目標を分ける場所

キャンペーンを分けるべきなのは、予算や成果判断を独立させたいときです。別々に予算を管理したいものを同じキャンペーンへ混ぜると、どちらへ費用を寄せるべきかが見えにくくなります。

たとえば、BtoB向けWebサイト制作とGoogle広告運用代行では、検討段階と成果地点が異なることがあります。Webサイト制作では、要件や公開時期が具体化した企業からの個別相談を成果として扱います。Google広告運用代行では、既存アカウントに課題を感じている企業からの広告診断申込みを成果として扱います。この2つを同じキャンペーンに入れると、異なる導線の結果が平均値にまとめられます。

キャンペーンを分けるか迷うときは、予算を別々に動かしたいかを最初に見ます。費用を寄せる判断がサービスごとに変わるなら、同じキャンペーンへ混ぜると月次の判断がぼやけます。

次に、成果目標の違いを確認します。問い合わせ単価や商談単価の許容値が違うものは、平均値でまとめると片方の良し悪しが隠れます。対応地域や商圏が違う場合も、配信範囲と成果を別に見たほうが調整しやすくなります。

営業への受け渡し先や担当部署が違うことも、分ける理由になります。見積もり、デモ、相談など次の行動が変わるなら、広告の成果は配信設定だけでは判断できません。送るランディングページや訴求が大きく違う場合も、検索語句からページの反応までを同じ単位にまとめないほうが原因を追いやすくなります。

同じ商材を同じ地域へ届け、予算と成果目標も共通しているなら、無理にキャンペーンを増やす必要はありません。まずは判断したい単位で分け、運用しながら分ける理由が出てきたところを整理します。

広告グループは検索意図と広告文をそろえる場所

広告グループは、検索意図、広告文、ランディングページをそろえるために分けます。同じ商材でも、検索している人の状況が違えば、広告文で約束する内容も変わります。

たとえば、「料金を知りたい」「候補を比較したい」「具体的に相談したい」では、同じ広告文で受け止めきれないことがあります。料金を知りたい人には価格帯や見積もり条件が重要です。比較している人には対応範囲や強みが必要です。具体的な相談を考えている人には、受付方法や対応の流れが伝わるほうが自然です。

広告グループを分ける目的は、キーワードを細かく分類することではありません。検索語句、広告文、ランディングページのどこが合っていないのかを見つけやすくすることです。品質スコアの構成要素にも広告の関連性やランディング ページの利便性が含まれるため、検索意図と広告文とページを離して考えないほうが原因を追いやすくなります(検索キャンペーンの品質スコアについて)。

分けすぎと混ぜすぎのどちらも運用を難しくする

構成で失敗しやすいのは、分けすぎることと混ぜすぎることの両方です。どちらも、改善判断を難しくします。

分けすぎると、広告グループやキャンペーンごとのデータが少なくなり、判断に時間がかかります。管理画面上の項目も増え、広告文やランディングページを更新するときの手間が増えます。

混ぜすぎると、原因が見えません。検索語句がずれているのか、広告文の約束が広すぎるのか、ランディングページが合っていないのかを判断しにくくなります。

2つのBtoB商材を扱う場合は、それぞれを別キャンペーンにする理由があるかから考えます。Webサイト制作では、制作予算と個別相談の単価を独立して管理します。キャンペーン内では、料金を知りたい人と制作会社を比較したい人で広告文を変えます。具体的なリニューアル相談を専用ページへ送るなら、別の広告グループにします。

Google広告運用代行では、集客予算と広告診断の申込目標をWebサイト制作とは別に管理します。運用委託先を比較している人には対応範囲を示します。既存アカウントの改善を考えている人には、診断を申し込める導線が必要です。その違いを広告文とランディングページへ反映できる単位で広告グループを作ります。

この例では、サービスごとに予算と成果目標が違うためキャンペーンを分けています。その中で、検索意図が変わるところだけ広告グループを分けます。実際の構成は、事業のサービス範囲や問い合わせ件数に合わせて調整します。商圏や予算が共通なら、まとめて運用できる可能性もあります。

サイト改善へ戻せる単位で構成を見直す

よい構成とは、管理画面を見たときに「どの予算が、どの商材の、どんな問い合わせを取りに行っているか」が分かる状態です。

検索語句レポートを見たときに、広告文を直すのか、ランディングページを直すのか、記事やFAQで受け止めるのかが分かる構成にしておくと、広告運用をサイト改善へ戻せます。検索語句レポートでは、実際の検索で広告が表示された語句と掲載結果を確認できます(検索語句レポートについて)。

次の見直しでは、構成図より月次の判断ログを開きます。問い合わせの質、検索語句、予算消化、ランディングページの反応を見て、分ける理由が残っている広告グループは維持し、理由がなくなったものはまとめます。広告だけで閉じず、サイト側へ戻す改善単位が見える構成にしておくと、翌月に触る場所を迷いにくくなります。