検索意図マップは、検索する人の問いと、その答えを載せるURLを対応させたものです。キーワードの言い方が違っても、必要な答えが同じなら一つのページで扱えます。反対に、似た言葉でも知りたい内容が違えば、別のページが必要になることがあります。

語句から問いを捉えたうえで、その答えが既存ページにあるかを見ていきます。ページ数を先に決めると、言い換えただけの記事を増やしたり、役割の違う説明を一つへ詰め込んだりしやすくなります。

言葉の近さより、必要な答えが同じかを見る

文書保管サービスを例に考えます。以下の語句やサイト構成は説明用の仮定で、実際の検索結果や顧客調査に基づくものではありません。

「法人用文書保管 料金」と「書類保管サービス 費用」は、依頼するといくらかかるのかを知りたい問いとしてまとめられそうです。保管する箱数や、書類を取り出す頻度で金額が変わるサービスなら、その条件と料金を一つのページで説明できます。「料金」と「費用」のために別々の記事を用意しても、読者に渡す答えはほとんど変わりません。

ただし、「書類保管 料金相場」は同じ問いとは限りません。自社へ依頼した場合の金額と、複数社を含む市場の目安は別の情報です。相場を答えるには、保管条件や料金に含まれる作業をそろえた比較資料が必要になります。自社の料金表を載せただけでは、相場を知りたい人への答えにはなりません。

同じページにまとめられるか迷うときは、そのページを読んだ後に何が分かるかを比べると境界が見えます。支出の見積もりができることと、委託先の選び方が分かることでは、必要な説明も根拠も違います。

検索語句と顧客の質問では、分かる範囲が違う

問いを考える材料には、検索データと顧客からの質問を使えます。Search Consoleでは、クエリで絞り込んでからページの一覧を見ることで、その検索について実績が記録された自社URLを確認できます。すでにどのページが検索との接点を持っているかを知る手掛かりです。Googleの公式ヘルプにも、この確認方法が説明されています。

実績の多くはGoogleが選んだ正規URLへ集計されるため、一覧のURLが実際に表示されたURLと常に同じとは限りません。

ただし、そこに並ぶ語句が市場の需要をすべて表しているわけではありません。自社が表示されていない検索は分からず、プライバシー保護のため表示されないクエリもあります。クエリの絞り込みには集計上の制約があるため、一覧にない問いを「需要がない」と切り捨てる材料にはできません。

顧客からの質問は、短い検索語句だけでは見えにくい事情を補います。仮に「取り出すたびに料金がかかるのか」と聞かれているなら、月額保管料だけでは費用を判断しにくいことが分かります。一方、その質問をした人の事情が、検索者全員に当てはまるとは限りません。検索データと相談内容が一致する部分は問いの候補を支えますが、食い違う部分まで同じ意図へ押し込む必要はありません。

検索結果を見る場合は、回答の形式も参考になります。料金表が並ぶ場合と比較解説が並ぶ場合では、必要とされている答えも違うと考えられるためです。ただし、上位ページの見出しを集めれば自社の記事構成が決まるわけではありません。Googleの検索結果には場所や言語、端末などの条件も影響します。一度の観察で意図を確定せず、自社に届いた質問や提供内容と照らして捉えます。

既存ページへの追記と、新しい記事を分ける

問いがまとまると、その答えをどこに置くかが見えてきます。サービスの料金や対応範囲のような情報は、検討中に繰り返し参照される固定ページが回答先になります。すでに料金ページがあるなら、費用の記事を新設する前に、そのページで不足なく答えられるかを考えます。

先ほどの文書保管サービスに、料金ページとサービス紹介があると仮定します。取り出し料金の説明が抜けている場合は、料金ページへの追記で補えます。契約前に委託先を比べる基準は、料金だけでは答えきれないため、独立した解説の候補になります。

以下は、問いと回答先の対応まで決めたマップの例です。URLはすべて架空であり、「既存」としたページも仮定上のものです。

語句のまとまり読者が知りたいこと代表URLまたは候補対応
法人用文書保管 料金/書類保管サービス 費用依頼費用と、金額が変わる条件/storage/pricing既存の料金ページへ取り出し料金を追記
書類保管 途中取り出し預けた書類をいつ、どう受け取れるか/storage既存のサービス紹介へ依頼方法と受け取り条件を追記
書類保管 委託先 比較自社に合う委託先をどう選ぶか/knowledge/storage-provider-comparison取り出し条件などの比較基準を説明する新規記事の候補
書類保管 料金相場条件をそろえた場合の市場の目安未定比較できる料金資料がなく、回答先の決定を保留

「途中取り出し」は、ここでは受け取り方法を知りたい問いと仮定しています。料金を知りたい検索も考えられるため、語句だけで意図を一つに決めることはできません。

取り出しに関する二つの行は、同じ話題でも答える内容が違います。料金ページは支出を説明し、サービス紹介は依頼から受け取りまでの流れを説明します。双方にすべてを書き直すより、詳しい説明が必要なところで相手のページへつなぐ方が、情報の分担を保ちやすくなります。

また、新規記事の候補は、そのまま公開予定を意味しません。委託先の比較なら、どの条件が利用上の違いになるのかを説明できる根拠が必要です。独立した問いであることと、自社が答えを用意できることは別に判断します。

マップの代表URLは、検索エンジンへの指定ではない

このマップで決める代表URLは、サイト内でその問いへの回答を担うページです。Googleが検索結果に出すURLや順位を指定するものではありません。Search Consoleに複数のページが表示されていても、その事実だけで削除や統合を決めず、それぞれがどの問いに答えているかを見る必要があります。

HTMLのcanonicalも、意図の違う記事を整理する代わりにはなりません。Googleの正規化は、同じ内容や主要な内容が非常によく似たURLを扱う仕組みです。canonicalの指定は希望を伝えるシグナルであり、指定どおりの選択を保証するものではありません。

たとえば、料金ページと委託先の比較記事は、どちらも文書保管を扱っていても別の問いへ答えています。両方に必要な情報があるなら、それぞれの役割を残せます。重なっているのが話題なのか、読者に渡す答えそのものなのか。この違いが、URLを分けるかまとめるかの判断になります。