コンテンツブリーフは、記事で誰のどんな疑問に答えるかを、書く人と依頼する人の間で共有するためのメモです。構成案の前に決めたいのは、読者がいま困っていることと、記事が返す答えです。その答えを何で説明できるかまで分かっていれば、必要な見出しも考えやすくなります。
「SEO記事を作りたいので、上位ページを参考に構成を考えてほしい」という依頼では、書き手が答えそのものを推測することになります。検索語句や検索結果は問いを考える材料になりますが、自分たちがどこまで説明できるかは別に考える必要があります。
テーマだけでは、読者が知りたいことは決まらない
たとえば「マニュアル作成の外注」というテーマでは、料金を知りたい人向けにも、依頼先を比較したい人向けにも書けます。どちらもテーマから外れてはいませんが、原稿がなくて依頼をためらっている人に、業者の選び方を説明しても疑問は残るでしょう。この人が知りたいのは、何を渡せばマニュアルを作ってもらえるのかです。
ここまで読者の状況が分かると、年齢や会社規模を細かく設定しなくても、記事が答える問いを共有できます。ブリーフでも「外注したいが、渡せる原稿がないので依頼できないと思っている」と伝えれば、必要な説明を考える手がかりになります。
ただし、読者の希望だけで答えを決めるわけにはいきません。原稿作成まで請け負うサービスなのか、渡された原稿を編集するサービスなのかで、依頼の前提は変わります。読者に返したい答えを、実際の提供範囲で支えられるかが次の問題です。
完成したコンテンツブリーフの記入例
ここでは、担当者への取材と原稿作成を提供する架空の会社を考えます。依頼元には、業務の流れを説明し、できた原稿が実態に合うかを確認してもらうものとします。以下はこの条件から作った説明用の仮定例であり、実際の顧客事例や受注実績ではありません。
執筆者へ渡す内容を文章にすると、次のようになります。これは記事の見出し案ではなく、何を伝える記事にするかを共有するメモです。
対象は、業務マニュアルの作成を外注したいが、渡せる原稿がなく依頼をためらっている担当者です。この記事では、取材による原稿作成を含む支援なら、完成原稿がなくても依頼できると答えます。ただし、業務を説明する人と、記載内容が正しいかを確認する人の協力が必要です。
根拠は、この仮のサービスに取材と原稿作成が含まれることです。担当者から作業の流れを聞き、文章にし、依頼元の確認を受ける過程を示します。説明できる人はいるが文章になっていない場合と、部署ごとに手順が違って確定できない場合を比べます。後者では、文章にする前に依頼元による業務の整理や判断が必要です。
読了時に分かってほしいのは、依頼前に完成原稿を自作する必要はなくても、業務内容の判断まで丸ごと任せられるわけではないことです。取材を含まない外注先にも当てはまる説明にはしません。具体的な契約範囲や料金はサービスページに任せ、記事では原稿がない場合に何をもとに作れるかを説明します。料金相場や業者ランキング、マニュアルの書き方全般は扱いません。
この例には「メリット」「デメリット」といった見出しがありません。それでも、執筆者には説明する内容が伝わります。読者のためらいに対して何を答え、その理由をどの過程で示すかが書かれているためです。
資料名だけでなく、その資料で何を説明するかを書く
ブリーフに「サービス資料を参考にする」とだけ書いた場合、執筆者は資料のどこが回答の根拠なのかを探すことになります。上の例で必要なのは、取材と原稿作成が含まれるという提供範囲です。そこから、担当者の話を原稿にできるという説明が成り立ちます。資料を渡すことに加えて、どの記載がどの答えを支えるのかまで伝わると、単なるサービス紹介へ話がそれにくくなります。
一方、取材できることは、業務の正しさを外注先が判断できることの根拠にはなりません。部署によって手順が異なれば、誰かが話した内容をそのまま文章にしても、会社として採用する手順は決まらないためです。完成例で二つの状態を比べているのは、「原稿がない」という言葉の中に、文章化の問題と業務判断の問題が混ざっているからです。
こうした条件が書かれていれば、執筆者が「すべて任せられる」「誰でも短期間で作れる」といった約束を足すのを防げます。仮の答えを考えた時点で根拠がそろっていないなら、確定事項にはできません。「取材を含むかは未確認」のように分からない点を残し、その確認が済むまでは回答を決め切らない方がよいでしょう。
構成案は、決まった答えを伝える順番にする
このブリーフから構成を考えるなら、まず依頼できる前提を伝え、次に取材から原稿ができる過程を説明すると自然です。その後に手順が未確定の場合を扱えば、読者は自分の状況との違いも分かります。先に一般的な見出しを並べるより、それぞれの節が何の疑問に答えるのかが明確になります。
記事を読んだ人全員に、問い合わせてもらう必要もありません。この例なら、依頼前に何が必要かを理解できれば記事の役割は果たせます。具体的な契約範囲や料金まで知りたくなった人にはサービスページが必要ですが、そこにある情報を記事でも繰り返す必要はないでしょう。ブリーフで扱わない範囲を示すのは説明を省くためではなく、一つの疑問へ十分に答えたところで記事を終えられるようにするためです。