Search Consoleを開いても、どのページを直せばよいか分からないことがあります。その原因の一つは、サイト全体の合計クリック数や平均掲載順位から見始めていることです。
全体値は健康診断にはなりますが、次に直すページまでは教えてくれません。月次で見るなら、条件をそろえたページ比較から変化を見つけ、クエリとページ内容を合わせて一つの編集仮説にするのが実務的です。
Search Consoleは全体値よりページ比較から見る
Search Consoleの検索パフォーマンス レポートでは、クリック数、表示回数、CTR、平均掲載順位などを確認できます。最初に全体の推移を見ること自体は悪くありません。ただし、そこで止まると「増えた」「減った」の感想になりやすいです。
月次レビューでは、期間の条件をそろえてページ単位で見ます。前月比で見るのか、前年同月比で見るのかを決めます。季節性があるテーマなら前年同月を見たほうがよい場合があります。公開直後の記事なら、前月比だけでは判断が早すぎることもあります。
最初の手順は、次のようにします。
- 対象期間と比較期間を決める。
- ページ単位で表示する。
- 表示回数、クリック数、CTR、平均掲載順位の変化を見る。
- 変化が大きいページを数本に絞る。
- そのページのクエリと本文を確認する。
ここで選ぶのは、単に順位が低いページではありません。表示機会があり、本文や入口を直せば読者の期待に近づけられるページです。
クリック、表示回数、CTR、平均掲載順位は別の問題を示す
Search Consoleの指標は、それぞれ見ている問題が違います。平均掲載順位だけを見ていると、入口の見え方や本文の不足を見落とすことがあります。
表示回数が増えているのにCTRが低いなら、検索結果で見えるtitleやdescriptionの約束が弱い可能性があります。この場合は、クエリとtitle、description、冒頭の答えが合っているかを見ます。
クリックはあるのに問い合わせや次ページ閲覧につながらないなら、ページ内の判断材料を見ます。冒頭で答えが遅くないか、具体例やFAQが足りているか、内部リンクで次の判断へ進めるかを確認します。
平均掲載順位が下がった場合は、検索意図のずれや情報鮮度を疑います。クエリの変化、競合ページ、古い前提が残っていないかを見ます。表示回数が減った場合は、季節性、掲載クエリ、内部リンクを確認し、需要変化なのかページ評価の変化なのかを分けて考えます。
Googleは検索結果のタイトルリンクやスニペットを、ページ内の情報などから自動生成する場合があります。そのため、titleやmeta descriptionだけを変えれば必ず表示が変わるとは言えません。入口の見え方を直す場合も、本文の冒頭や見出しが同じ約束をしているかまで確認します。
直す候補は表示機会があり答えを強くできるページに絞る
月次レビューで直す候補は、順位が低いページを機械的に選ぶものではありません。表示機会があり、読者の問いにもっと強く答えられるページを選びます。
ページを一つ選んだら、そのページで流入しているクエリを見ます。クエリが現在のtitle、冒頭、見出し、内部リンクとつながっているかを確認します。クエリがページの本題から外れている場合は、無理に取りに行かない判断も必要です。別記事やFAQで受け止めたほうが、読者にもサイト構造にも自然なことがあります。
月次レビューでは、数値の変化だけを記録しても次の編集につながりません。対象ページと関連クエリを確かめたうえで、本文で分かったことと編集仮説を同じ行に残します。記入例として並べると、数値の変化をそのまま感想にせず、次に直す場所へ落とし込みやすくなります。
| 対象ページ | 見えた変化 | 関連クエリの傾向 | 本文確認 | 編集仮説 |
|---|---|---|---|---|
title-description-review | 表示回数は増えたがCTRが低い | 「meta description 改善」「SEO タイトル 見直し」 | 4象限の使い方が冒頭で分かりにくい | titleとdescriptionの見直し前に、本文冒頭で判断軸を明確にする |
faq-content-seo | クリックが増えた | 「FAQページ 作り方」「FAQ 構造化データ」 | 構造化データ目的ではない理由を補足したい | FAQリッチリザルト狙いの前提を公式情報と分けて説明する |
service-page-seo-basics | 表示回数があるがクリックが少ない | 「サービスページ SEO」「記事 導線」 | titleは合っているが、冒頭の対象読者が弱い | 記事流入から相談判断へ進むページだと冒頭で示す |
これは実データではなく、レビュー票の書き方を示す例です。実際の判断では、Search Consoleの対象URLデータ、サイト内行動、問い合わせ内容を合わせて見ます。
URL検査ツールは技術的な阻害要因を切り分ける
Search ConsoleのURL検査ツールは、ページが検索結果にどう扱われているかを技術面から確認するために使います。インデックス登録状況、ライブURLの取得可否、canonicalなど、検索パフォーマンス レポートだけでは分からない問題を切り分けられます。
ただし、URL検査ツールの結果だけで本文改善の優先順位は決まりません。技術的に問題がないページでも、読者への答えが弱ければ直す必要があります。反対に、本文を直す前にnoindexやcanonicalの不整合があるなら、先に技術的な阻害要因を直します。
月次レビューでは、URL検査ツールを本文改善とは別の切り分けに使います。対象ページが検索結果に出ない場合は、インデックス登録状況と取得可否を確認します。サイトマップ送信後も反映されない場合は、ライブURLの取得、noindex、canonicalを見ます。旧URLと新URLが混在している場合は、Googleが選択したcanonicalを確認します。
Search Consoleには複数の見方があります。検索パフォーマンス レポートは「何が起きているか」を見る場所です。URL検査ツールは「登録や取得で止まっていないか」を見る場所です。役割を分けると、数字と技術確認が混ざりにくくなります。
月次レビューは一つの編集仮説で終える
Search Consoleは眺めるための画面ではなく、次の編集を決めるための材料です。月次レビューの最後には、必ず編集仮説を一つに絞ります。
「SEO改善」では広すぎます。「表示回数は増えているがCTRが低いため、titleとdescriptionを見直す」「クエリが料金不安に寄っているため、サービスページ内にFAQを足す」のように、次に変える場所が分かる言葉にします。
月次レビューを締めるときは、対象URLを一つに決めます。たとえば /knowledge/search-console-review-basics で、表示回数はあるのにCTRが低いと分かったなら、読者の問いを「Search Consoleで何を見ればよいか分からない」と置きます。直す場所は冒頭と月次レビュー票です。期待する変化は、直すページの選び方が分かり、関連ページへ進みやすくなることです。次回確認では、同じURLのクエリ、CTR、内部リンククリックを見ます。
Search Consoleの月次確認は、レポート作成で終わらせると効果が薄くなります。ページ、クエリ、本文、導線をつなげて一つの編集仮説にする。そこまで進めると、次に直すページが見えやすくなります。