検索広告の広告文は、表現の工夫より先に、検索した人が何を確かめたいのかを決めると作りやすくなります。その問いに対して広告文で約束することを一つに絞り、ランディングページで根拠を示せるか確認します。リンク先で確かめられないことは、広告文だけで先に約束しません。
この記事で扱うのは、BtoB商材の広告を配信する前の判断です。一つの検索テーマと一つのランディングページを照らし合わせ、公開するのか、広告文かページを直すのかを決めます。判断に必要な事実がそろわなければ保留します。配信後のクリックや問い合わせを使った診断までは扱いません。
検索者が確かめたいことを一つの問いに絞る
検索語句を広告文へ移しただけでは、検索者が知りたいことに答えたとは限りません。広告とリンク先で答える問いを一つ決めると、何を伝えて何を約束しないのかが見えてきます。
検索語句だけで意図を決めつけない
同じ語句を使っていても、すぐに発注先を探している人と、社内で比較する材料を集めている人では必要な情報が異なります。語句の一致だけを見て、検討段階や立場まで決めつけることはできません。
実際の検索語句や営業への質問を確認できるなら、そこから検索者の迷いを読み取ります。その記録がない場合は、想定した問いを仮説として残します。確認できていない需要や悩みを、検索者の事実として扱わないためです。
社内で次の判断に進むための情報を考える
BtoBの検索では、ページを開いた本人だけで判断が終わらないことがあります。社内の関係者へ説明するときに何が分かれば次へ進めるのかを考えると、広告で答える問いを絞りやすくなります。
たとえば、検討している商材が自社の条件に合うかを確かめたいなら、その条件を確認できることが広告の約束になります。提供内容の全体像まで一度に伝えようとせず、今回のリンク先が答えられる範囲にとどめます。別の条件まで判断が必要なら、同じ広告文へ詰め込まず、検索テーマやリンク先を分けた方が自然です。
広告文ではLPで確かめられることだけを約束する
広告文の約束とは、クリックした後にランディングページで確認できる内容です。目を引く言い回しを先に作るのではなく、自社が実際に提供できることと、ページに書かれていることから言える範囲を決めます。以下ではランディングページをLPと表記します。
約束はクリック後に答えが見つかる形にする
提供できると伝えるなら、LPを読んだ人が何をどこまで依頼できるのかを確かめられる必要があります。対象となる企業や利用条件が結論を左右するなら、その情報もリンク先から見つけられる状態にします。
広告文だけを読めば魅力的でも、LPへ進んだ後に判断材料が見つからなければ、検索者には約束が果たされたように見えません。広告文の役割は期待を大きくすることではなく、リンク先で得られる答えを正しく先に伝えることです。
根拠を確認できない強い表現は使わない
効果や実績を伝える表現には、その主張を支える事実が必要です。比較や最上級の表現を使う場合も、何と比べたのか、どの条件で成り立つのかを確認できなければ広告文へ入れません。
媒体の審査を通過したことは、自社の主張が事実として立証されたという意味ではありません。広告主側で根拠と適用範囲を確認する作業は別に残ります。法令や業界規制に関する個別判断が必要な表現は、媒体の審査だけに委ねず、必要な専門家へ確認します。
LPでは根拠の内容と見つけやすさを確かめる
広告文を支える事実が社内資料にあっても、検索者がLPで確認できなければ公開前の照合は終わりません。根拠の内容だけでなく、到達後に迷わず見つけられる場所へ載っているかまで確かめます。
広告文の約束が事実より広いときは文面を直す
広告文が提供範囲を広く見せているなら、確認できる事実に合うところまで表現を戻します。別の条件を付けなければ成立しない約束も、条件を省いたまま公開しません。
文面を弱くすることが目的ではありません。検索者が受け取る約束と、実際に提供できる内容の幅をそろえるための修正です。組み合わせによって意味が変わる広告形式では、見出しや説明文を単独で読むだけでなく、一緒に表示されたときにも範囲が広がりすぎないか確認します。
説明が足りないときはLPを直す
事業上の事実は確認できているのに、検索者が判断するための説明がLPにない場合は、ページ側を直します。広告文と同じ言葉を繰り返すだけでは足りません。誰に何を提供できるのかが分かり、必要な条件も確認できる説明にします。
別のページの方が問いへ正確に答えられるなら、リンク先の変更も候補になります。その場合はURLを差し替えるだけで終わらせず、表示URLやトラッキングを含めて、実際に到達するページをもう一度確認します。
媒体ごとの表示で約束が崩れないか確認する
検索者への約束とLPの根拠がそろったら、利用する媒体で実際に表示される状態を確かめます。ここで確認したいのは機能の数ではありません。広告文の組み合わせやリンク先が変わっても、同じ問いに同じ範囲で答えられるかどうかです。Google広告の挙動をLINEヤフー広告へ当てはめず、媒体ごとに分けて見ていきます。
Google広告では広告単位の入力欄だけを見ない
Google広告のレスポンシブ検索広告では、複数の広告見出しと説明文を入稿し、配信時に組み合わせて表示します。すべての文面が毎回表示されるわけではなく、広告見出し3と説明文2は位置を固定しても表示されない場合があります。広告単位の文面に加えて、関連付けられたキャンペーン単位の広告見出しと説明文や、テキストのカスタマイズで生成された文面も表示候補になり得ます。実際に有効な設定を確認し、どの組み合わせでも検索者への約束が欠けたり広がったりしないかを確かめます。
照合するLPも、広告単位で指定した最終ページURLだけとは限りません。AI最大化設定でテキストのカスタマイズと最終ページURLの拡張が有効なら、同じドメイン内の別ページが選ばれ、そのページに合う文面が生成されることがあります。サイトリンクなどの追加アセットも別ページへ進むことがあるため、関連付けられたアセットとトラッキング展開後の到達先を確認し、実際に開く可能性があるLPで根拠を示せるかを見ます。広告やアセットを作成または編集するとリンク先なども審査の対象になりますが、審査通過は事業上の根拠や成果の証明にはなりません。
LINEヤフー広告では関連付けた広告表示アセットも確認する
LINEヤフー広告の標準キャンペーンで使うレスポンシブ検索広告も、複数のタイトルと説明文を組み合わせて表示します。3番目のタイトルと2番目の説明文は表示されない場合があります。タイトルと説明文は、どの組み合わせでも意味が通るように作る必要があります。検索者に必ず伝えたい条件を表示されない位置だけに置かず、組み合わせが変わっても同じ範囲の約束になるかを確かめます。
表示URLは最終リンク先URLを基に作られますが、スマートフォン向けに別のURLが設定されている場合もあります。表示URLだけで判断せず、広告表示アセットのクイックリンクが別ページへ進むなら、そのページでも約束を裏付けられるかを入稿規定に沿って確認します。
新規作成画面で生成AIのタイトル・説明文の提案を使う場合も、広告主が内容を確認し、誤りや広告掲載基準に合わない表現を修正する必要があります。提案されたことは審査承認の保証になりません。
配信中の広告を編集した場合、編集した項目の審査中も編集前の状態で配信されます。そのため、新しい文面とLPだけでなく、審査中に検索者が見る組み合わせも分けて照合します。
公開前に広告文とLPを一件ずつ判定する
最後に、検索者の問いと広告文の約束を一件の記録へそろえます。LPの根拠と掲載箇所を対応させ、利用媒体で表示される可能性がある文面やリンク先も確認してから公開可否を決めます。
公開できない理由から修正先を決める
検索者の問いに対する約束が明確で、その根拠をLP上で確認できるなら公開へ進めます。媒体側で使われる文面や到達先も確認できていることが前提です。審査前であることと、事業上の根拠が不足していることは分けて記録します。
約束が事実より広い場合や、文面の組み合わせで意味が変わる場合は広告文を修正します。提供できる事実は確認済みでも、その説明を検索者がLPで見つけられない場合はページを修正します。事実の正本や媒体設定を確認できない場合は保留です。法的な確認が必要なのに判断材料がそろっていないときも、公開を急いで文面だけを完成させません。
広告文とLPの公開前照合シート
次のシートは、一つの検索テーマと一つのLPについて記入します。空欄を埋めること自体が目的ではありません。広告文の約束と公開判断を左右する項目について、確認できた事実と未確認事項を分けるために使います。
対象の商品・サービス:
対象媒体:
広告形式:
対象となる検索テーマ:
検索者が確かめたいこと:
広告文で約束すること:
広告文では約束しないこと:
広告単位で入稿する見出し・タイトル:
広告単位で入稿する説明文:
キャンペーン単位または自動生成のテキスト:
関連付け済みの広告表示アセット:
表示位置の固定:
LPで確認できる根拠:
根拠の掲載箇所:
設定する最終ページURL・最終リンク先URL:
URLの自動変更・トラッキング:
実際に到達する予定のページ:
表示URLとパス・ディレクトリ:
媒体固有の確認事項:
審査状況と確認日:
未確認事項:
公開前判定: 公開 / 広告文を修正 / LPを修正 / 保留
判断理由:
配信後の引き継ぎ先:
審査前でも、検索者の問いや広告文の約束など、先に記録できる項目はあります。一方で、約束の根拠や実際の到達先が分からないままでは公開を決められません。空欄の数ではなく、その情報が欠けたまま検索者へ約束してよいかで判定します。
公開時の判断を配信後の改善へ引き継ぐ
公開前に想定した問いと約束を残しておくと、配信後に仮説のどこが外れたのかを確認しやすくなります。検索語句と広告とLPの間にずれが見つかったら、検索意図とランディングページの対応を見直す記事で原因を分けます。除外するか迷う検索語句は、除外キーワードの月次レビューで別に判断します。
配信結果から得た学びは、検索広告の改善サイクルへ引き継ぎます。まずは、いま確認している広告文の根拠をLP上の箇所まで示せるか見てください。示せるなら、利用媒体で表示される可能性がある文面と到達先も確認して公開へ進みます。示せない場合は広告文かLPへ戻り、根拠となる事実そのものを確認できなければ保留します。