検索広告の広告文は、検索した人が確かめたいことに、自社の商品やサービスで何を答えられるかから作ります。広告で伝える約束は、クリック後のランディングページ(LP)で根拠を確かめられる範囲にします。検索された言葉を入れるだけでは、その人が自社を選ぶ理由までは伝わりません。

たとえば、既存システムとの連携を調べている人には、価格の安さより接続条件の説明が役立つかもしれません。ただし、検索語句だけで利用環境までは分かりません。「連携できるはず」と推測を広げず、何を確認できるのかを具体的に伝えると、広告に書ける内容が見えてきます。

検索語句から分かる問いと、まだ分からないこと

「業務用ラベルプリンター 既存システム 連携」という検索なら、今の業務へ組み込めるかを気にしている可能性があります。この段階で考えられる問いは「自社の環境で使えるか」です。「安い機種が欲しい」「すぐに買いたい」とまで決めつける根拠はありません。

同じ語句でも、既存設備の置き換えを考えている人と、新しい仕組みを調べている人が含まれます。検索意図は、人の考えを直接確認した事実ではなく、語句から立てる仮説です。広告文では、その仮説に答えられる自社の情報を使います。対応インターフェースが公開されているなら接続条件を伝えられますが、それだけで「どんなシステムにも対応」とは言えません。

ここで分けたいのは、検索した人が望んでいそうなことと、広告主が実際に約束できることです。希望に合わせて対応範囲を広く見せると、クリック後に条件を知った人を失望させます。自社が答えられる範囲まで約束を絞ることも、検索意図に沿った広告文の作り方です。

LPにある根拠から、見出しと説明文を作る

ある業務用ラベルプリンターについて、LPに対応インターフェースと接続条件が掲載され、導入前の適合相談も受け付けていると仮定します。この場合は、連携そのものを保証するのではなく、導入前に条件を確認できることを伝えられます。以下は説明用の広告部品例であり、実在製品の広告や入稿一式ではありません。

見出し例「連携条件を導入前に確認」
説明文例「対応インターフェースと接続条件をご案内。既存環境との適合を相談できます。」

この見出しを支えるのは、LPに掲載された接続条件です。説明文の後半には、実際に相談を受けられる体制が必要になります。単に「連携に強い」と書かれたページや、一般的な問い合わせフォームがあるだけのページでは、例の約束を裏付けられません。適合するかを相談できることと、必ず適合することは別だからです。

同じ製品でも「ラベルプリンター 価格」という検索なら、費用を判断できる情報が先になります。仮に価格が機種や付属品によって変わり、導入作業の費用も別にかかるとします。LPでその内訳と見積もりに必要な条件を説明しているなら、次のような部品例が考えられます。

見出し例「導入費用の内訳をご案内」
説明文例「機器本体と導入作業の費用項目を掲載。機種や付属品に応じた見積もり条件が分かります。」

この例が約束するのは、金額そのものではなく費用項目と見積もり条件が分かることです。定価を掲載していないのに「価格一覧はこちら」と書けば、検索した人は金額を比較できると期待します。問い合わせフォームしかない場合も「内訳を掲載」とは書けません。根拠を公開できないときは、広告で言える内容もその範囲に狭まります。

広告とLPの一致は、表現上の工夫だけの話ではありません。Google広告の利用できない特典に関するポリシーでは、広告で約束した商品やサービスなどがリンク先で利用できない場合や、容易に見つからない場合を問題としています。LINEヤフー広告も広告の関連性について、キーワードと広告、リンク先の関連性を定めています。ここで示した例は、こうした整合性を考えるためのもので、審査通過や広告成果を保証するものではありません。

短くするときも、対象と条件は削らない

広告として短く整える段階では、訴求を強めるより、意味が変わっていないかが問題になります。たとえば相談を受けられるのが一部の機種だけなら、先ほどの説明文にもその範囲が必要です。「対象機種の連携条件を確認」という見出しなら、全機種に対応するような受け取り方を抑えられます。

文字数を減らすために「対象機種の」を削ると、単に短くなるだけでなく、約束の範囲が広がります。同じことは「法人向け」や「初回のみ」といった条件にも当てはまります。条件を残すと収まらない場合は、「あらゆる環境で使える」といった大きな主張をやめ、確認できる内容を一つに絞る方が伝わりやすくなります。

組み合わせが変わっても、約束が過大にならない文にする

レスポンシブ検索広告では、登録した見出しや説明文が組み合わされます。Google広告の説明とLINEヤフー広告の説明にあるように、登録した候補をすべて順番どおり読んでもらえるとは限りません。そのため、一つの候補に書いた条件を、別の候補が補ってくれる前提にはできません。

たとえば見出しに「導入相談は無料」と書き、説明文にだけ「対象機種の初回相談に限ります」と入れたとします。条件を含む説明文が同時に表示されなければ、すべての導入相談が無料だと受け取られる可能性があります。LPに条件が書かれていても、広告だけを見た段階の意味は変わってしまいます。

この場合は「対象機種の初回相談無料」のように、主張と条件を同じ部品の中へ収める方法があります。それでも伝えきれないなら、無料を約束する文を外し、「対象機種の導入相談を受付」といった実際の対応範囲に合う表現へ変えます。必ず表示しなければならない情報を別の部品に置く場合は、利用媒体と広告形式の固定・表示仕様を確認する必要があります。固定すればどの位置でも必ず表示される、という扱いはできません。

広告文の良し悪しも、クリック率だけでは決まりません。対応できない相談まで増えたのであれば、反応を集められても検索意図の捉え方や約束の範囲が合っていない可能性があります。最初に立てた仮説は、実際の問い合わせ内容と照らして変わり得ます。何を確かめたい人に、どこまで答える広告だったのかが明確なら、そのずれを考える手掛かりになります。